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映画『ボンヘッファー』を観て思い出した、オーストリアで聞いたヒトラーの話

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こんにちは、
藤本モウフです。

 

映画レビューです。

 

『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』

(監督/トッド・コマーキニ 2024年)

 

ナチス政権下のドイツで、信仰と良心のはざまで苦悩した神学者ボンヘッファー。

彼は暴力を否定しながらもヒトラー暗殺計画に加わり、そして最後はーー

「沈黙することも罪」と信じ、行動した牧師の実話です。

 

私は歴史に疎いのでボンヘッファーを知らないだけかと思っていたけれど、どうやら一般的な歴史好きのあいだでも、それほど知られている人物ではないようです。

というのも、ボンヘッファーは戦争を止めたり国を救ったりという、わかりやすい功績がないから。

言うなれば、静かな勇気の象徴のような人、といったかんじ。

間違っていることを「間違っている」と言うことが難しかった時代に、文字通り自分の命を賭けて信念を貫いた人です。

最後まで人々に寄り添い続けた姿に、胸を打たれました。

私は「自分の前世は牧師だ」なんて軽はずみなことを言ってるけどほんと恥ずかしい。

 

そして、ヒトラー。

ヒトラーがドイツ出身だと思っている人も多いですが、実はオーストリア生まれのオーストリア人。(成人してからドイツ国籍を取得)

旅行でオーストリアに行ったとき、現地に住む日本の方から「オーストリア人がヒトラーのことをどう思っているのか」を教えてもらいました。

 

まず、オーストリアで最初に教わったのは、飲食店で店員さんを呼ぶときは“人差し指を立てて合図する”ということ。

手のひらを広げて挙げる仕草は、ナチス式の敬礼を連想させてしまうため、嫌な顔をされたり無視されることもあり、実際にその様子も目にしました。

オーストリア人にとって、ヒトラーはまさに「恥の象徴」なのです。

だからこそ彼らは、“もう二度とあの時代を繰り返さない”という強い思いを持っていて、その決意は法律にも反映されています。

オーストリアではナチスの思想を正当化する発言は法律で禁じられており、破ると懲役刑に処されます。

観光客が冗談でヒトラー敬礼をして禁錮刑になった例もあり、笑い話ではすまされない社会的ルールになっています。


また、気になるのがヒトラーの親族。

現在、血縁者はどのような生活をしているのか。

 

実は、親族はもうほとんど存在していないのです。

「自分の代で血を絶やす」と誓って生きてきた人たちもいれば、改名して関係を隠しながら暮らしている人たちもいます。

その理由はただひとつ。

ヒトラーの血縁者だと知られた瞬間、すべてが壊れてしまうから。

 

生まれながらにヒトラーという業を背負わされ、存在を消すように生きていく。

自分のルーツに世界中から今もなお疎まれている独裁者がいる。

そんな彼らの現実を想像すると、重苦しい気持ちになります。

 

ボンヘッファーという聖人のような人物が実在したことを知った一方で、ヒトラーの血縁者にも思いをはせることになるとは。

「血は水よりも濃い」

その言葉の最悪バージョンを見た気がします。

 

学生の頃は歴史の授業が本当に嫌いでまったく頭に入ってこなかったけど、映画で教えてくれたらめっちゃ吸収していただろうな、なんて思う今日この頃です。

 

(※さんざんヒトラーのことを書きましたが、この映画はボンヘッファー目線で描かれていて、ヒトラーはほぼ登場しません笑)

映画『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』公式サイト

 

 

おまけ。

 

 

戦場のピアニスト

 

同じ時代背景で、ドイツによるポーランド侵攻から物語が始まります。

ユダヤ人のピアニストが、ナチスの占領下で生き延びようとする実話。

静かな絶望の中に、人間の尊厳が描かれています。

大好きで何度も観てます。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

では、また次回!

 

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